後遺障害の賠償について

後遺障害(後遺症)とは?

 適切な治療を行ったにもかかわらず、完全な治癒には至らずに,将来にわたって体の不具合が残ることを「後遺障害(後遺症)」といいます。
 後遺障害(後遺症)は,入通院とは別に,独立して損害賠償の対象となります。
 後遺障害による損害賠償は,将来得られたはずの収入が得られなくなったという観点から認められる「逸失利益」と「慰謝料」等があります。

後遺障害が認められる場合

1−症状固定

 治療を続けても大幅な改善が見込めずに,大きな回復・憎悪のない安定的な状態が続くようになった段階を医学的な意味で「症状固定」と言います。
 症状固定と判断された時期以降の残存する痛みなどの症状については、後遺障害の問題になります。
 また,症状固定時期までは治療費が認められますが,その後は治療費が支払われないことになります。

 症状固定にならないと,後遺障害の程度などがわかりませんので、損害額が確定しません。
 そこで,症状固定を待ってから,すべての損害の賠償を請求することになります。

2−後遺障害等級認定

 後遺障害の認定は,損害保険料率算出機構が行います。
 後遺障害等級には,1級から14級までありますが,これらは後遺障害による労働能力の喪失がどの程度のものであるかという観点から決定されます。
 例えば,1級というのは,労働能力が100%喪失されている状態です。

 後遺障害の認定は,後遺障害診断書に基づいて行われます。客観的な診断書に基づかないと,裁判所も後遺障害とは認めてくれません。

逸失利益の算定
   将来得られるはずだったけれども、後遺障害(後遺症)のために得られなくなってしまった収入のことを「逸失利益」といいます。
 後遺障害逸失利益の算定は,基礎収入に労働能力喪失割合を乗じて,これに労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数を乗じて算定します。
 基礎収入の判定は,休業損害の場合と同様です。

1−サラリーマン・自営業者の場合

 休業損害と同様に,それぞれの収入額をもとに逸失利益が判定されます。逸失利益の増額については,個別の事情によることは,休業損害の場合と同様です。
 主婦や,無職者の場合の基礎収入の判断は休業損害と同様です。

2−若年者の場合

 若年者の場合には,年齢、職歴、実収入額と平均賃金との乖離の程度、その原因等を総合的に考慮して,将来的に生涯を通じて平均賃金を得られる蓋然性が認められる場合は,平均賃金を基礎収入として考えることもあります。  また、幼児・生徒・学生の場合は、原則として平均賃金を基礎収入とします。

3−ライプニッツ係数

 逸失利益の計算式で出てくるライプニッツ係数とは何でしょう?
 これはたとえば、100万円を10年先にもらう事になっていた場合にそれを10年前倒しでもらう場合では,今の100万円と10年後の100万円では価値が異なるという考え方によるものです。

 かような考えをもとに,複利で運用したとする場合に,10年後に100万円になる現在元本を算定する時に使う係数をライプニッツ係数と言います。  現在は民法の法定金利が5%と言う事もあって,年5%で複利で運用するとして係数が算出されております。

4−労働能力喪失期間について

 労働能力喪失期間とは,後遺障害により労働能力を失ってしまう期間のことです。
 後遺障害は,これ以上症状が改善しない状態なので,一生分の労働能力が喪失されるとも言えます。
 しかしながら,現実に,一生仕事をするわけではないので,裁判基準では,67歳までの期間が労働能力喪失期間とされています。
 また,67歳を超えても現実に稼働していた場合には,平均余命×2分の1が労働能力喪失期間とされています。

後遺障害の慰謝料
   後遺障害慰謝料は,後遺障害等級に応じて決まります。下記は裁判基準(財団法人日弁連交通事故相談センターの「交通事故損害額算定基準2010」)によるものですが,保険会社の基準はこれより低額になります。
 なお,事故態様や加害者の対応によっては,慰謝料の増額が認められることもあります。
 また,状況によっては,被害者の近親者にも慰謝料が認められることもあります。

後遺障害等級 慰謝料額
1級 2800万円
2級 2370万円
3級 1990万円
4級 1670万円
5級 1400万円
6級 1180万円
7級 1000万円
後遺障害等級 慰謝料額
8級 830万円
9級 690万円
10級 550万円
11級 420万円
12級 290万円
13級 180万円
14級 110万円




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